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税と社会保険を考えるメルマガ

当事務所よりほぼ毎月発行している、税金と社会保険を考えるメルマガバックナンバーです。

【2013/4/23】改めて「103万円の壁」を問い直す

皆さん、こんにちは。税と社会保険を考えるメールマガジンです。
ディード経営税務事務所小林(社会保険労務士・税理士)です。
http://www.deeds.co.jp

アベノミクス第三の矢は成長戦略ということで、その第1弾では、女性の
活躍を成長戦略の中核と位置づけています。これは正しい方向だと思いま
す。それでは、ということで今回は、所得税における配偶者控除と社会保
険の第3号被保険者問題について考えます。

税と社会保険を考えるメールマガジンでは、引き続き企業やはたらく人
の視点から税金と社会保険の話題をお送りしていきます。

◇Today’s Issues◇
1 【女性の活用】配偶者控除と第3号被保険者制度
2 【パートタイマーの社会保険】適用拡大は2016年10月から

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1 【女性の活用】配偶者控除と第3号被保険者制度
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◇先週、安倍総理大臣は記者会見で成長戦略の第一弾を発表しました。その
中で、女性の活躍を成長戦略の中核として位置づけ、女性の管理職登用、待
機児童の解消、育児休業の延長を掲げました。

◇しかし、これに関する税と社会保険の問題点にはまだ言及していません。

◇所得税には「103万円の壁」という問題があります。給与所得控除65万円
と本人の基礎控除38万円があるので、給与収入103万円までは所得税がかか
らず、配偶者(夫)の所得税でも配偶者控除が受けられます。

◇健康保険と厚生年金については、週30時間未満の従業員は適用対象外で、
かつ、年間収入130万円未満であれば被扶養者として配偶者の健康保険には
いることができ、国民年金では第3号被保険者となります。(週30時間未満
で年収130万円以上の場合は、自分で国保と国民年金に加入します。)

◇この103万円の壁と130万円の壁は誰でも知っていて、特に女性の就労や
ライフスタイルに大きな影響を与えています。103万円を超えないように
「就労調整」をしている人が多い。労働時間だけでなく、低賃金を甘受しや
すいことから、パートの賃金格差の原因にもなっているといわれます。

◇さらに、配偶者控除と第3号被保険者制度は、所得に対して逆進的である
ことも指摘されています。所得が比較的少ない家庭では共働きが多いのに対
して、高所得の家庭ほど専業主婦が多い傾向があります。節税効果も高所得
者の方が大きい。この制度の恩恵を受けているのは高所得世帯です。

◇また、配偶者控除は人的控除の二重取りになっているという問題もありま
す。年収103万円以下の妻は、自分の所得税計算で38万円の基礎控除を使っ
た上で、夫の所得税でも配偶者控除を受けています。ところが、年収103万
円を超えると夫婦それぞれ自分の基礎控除38万円だけになってしまいます。

◇この問題を解消するために、一人38万円の基礎控除を家族の誰が使って
も良いし、使い残しは他の人が使えるという「移転的基礎控除」の仕組みが
提案されています。こうすれば103万円の壁はなくなります。

◇妻が所得税の控除対象となったのは戦時体制の1940年、配偶者控除の名前
ができたのは高度成長の1961年です。それから半世紀が経ち、今は労働供給
や所得分配上の弊害が目立っている。社会のニーズや就業構造が変わってき
ていますから、現役世代の多くはこの制度を止めた方が良いと考えています。

◇ご存じのように民主党が政権を取ったときのマニフェストでは、配偶者控
除を廃止して、その財源を子ども手当に使うことになっていましたが、これ
が挫折してしまいました。

◇配偶者控除の廃止は、政治的にタブーになっている可能性がありますが、
もう一度取り組んで欲しいものです。

◆ディード経営税務事務所は税金の申告やご相談をお受けしています。
→ http://www.deeds.co.jp/service/

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2 【パートタイマーの社会保険】適用拡大は2016年10月から
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◇パートタイマーへの社会保険適用は上記のとおりですが、去年8月の法律
改正で少し変わります。

◇平成28年10月の施行ですからずいぶん先ですが、週30時間という基準が
週20時間に下がる。ただし、500人以下の企業や月収8.8万円未満の人は対
象外です。月収8.8万円は年間105万円ですから、配偶者控除と同じ基準で
す。

◇この制度改正で社会保険加入者が25万人増えると見込んでいますが、疑問
があります。20時間未満のパートを増やすだけだろうという見方もあります。
103万円の壁がより強固になる。

◇実は月収8.8万円の人の厚生年金保険料は現状では14,750円になり、国民
年金保険料15,040円より安くなってしまいます。パートの人が仮に国民年金
から厚生年金に移ると保険料が減って年金給付が増えるので、年金財政は悪化
するのです。年金制度も雇用の変化に対応できていません。

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小林 秀男(社会保険労務士・税理士)
ディード経営税務事務所
〒160-0022 東京都新宿区新宿1-2-1-509
TEL:03-3350-1717 FAX:03-3350-1749 携帯:090-9383-1387
E-mail:kobayashi-hdo@nifty.ne.jp
URL:http://www.deeds.co.jp
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