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税と社会保険を考えるメルマガ

当事務所よりほぼ毎月発行している、税金と社会保険関連を考えるメルマガバックナンバーです。

【2012/05/16】パッケージにしないと改革を通せないという政治

いつもお世話になり、ありがとうございます。
ディード経営税務事務所小林(社会保険労務士・税理士)です。

衆議院の一体改革特別委員会の審議が17日からやっと始まるとのこと。
法案が閣議決定されてから1か月半もたちました。いままで何をしていた
んでしょうか。

一方の野田総理大臣はずいぶん忙しそうですね。連休中は確かアメリカ
でオバマ大統領に会っていました。今週は日中韓首脳会談があり、15日
は返還40周年で沖縄にいました。今日は、イギリスにご出発になる天皇
陛下のお見送り。どれも余人をもって代えがたいとはいえ、大変ですね。

で、国会は野田総理の出席を待っていたらしいです。国会は国会でどん
どんやればいいじゃないか、給料も払ってるんだし、と思いますが、国会
のプライドもあり、党利党略もあり、ということでしょうか。

◇Today’s Issues◇
1 【社会保障改革】改革にはほど遠い改正案
2 【所得税法】所得税には投資損失という概念がない
3 【人事制度】来週、亜細亜大学で特別講義をします

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1 【社会保障改革】改革にはほど遠い改正案
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◇社会保障と税の一体改革のうち、社会保障について、今国会に法案として
出されている主な項目には、次のようなものがあります。

○ 年金額特例水準(2.5%)の解消 H24年10月から3年間で実施
○ 年金受給資格期間の短縮(25年→10年) H27年10月実施
○ 低所得者の基礎年金加算(月6千円) H27年10月実施
○ 高所得者の基礎年金減額(最大50%) H27年10月実施
○ パートタイマーへの厚生年金・健康保険の適用拡大(週20時間以上、
雇用期間1年以上、年収94万円以上のすべてを満たす場合で従業員501
人以上の企業) H28年4月実施
○ 公務員の共済年金と厚生年金の一元化 H27年10月実施

◇はっきり言って、改革というほどのものではありません。パートタイマー
への社会保険適用などは、15年くらい前から課題になっていましたし、公務
員の共済年金と厚生年金の一元化にしても、小泉政権の時に法案が出され、
ねじれ国会の混乱の中で廃案にされたものです。年金の特例支給水準の解消
は、本来やるべきことをやりましょうというだけです。

◇年金の受給資格期間については、今65歳以上の無年金者のうち49%は加入
期間10年から25年、51%は10年未満の人達だそうです。後づけで10年に
短縮すると、約半数の人が救済されることになります。それはそれで良いと
しても、若い人は、とりあえず年金を払うのは見送って、後で入ればいいと
考えるでしょうから、年金保険料を払う人は確実に減ることでしょう。

◇こんな迫力のない社会保障改革でも、「一体改革」としてパッケージにして
出さないと消費税率の引き上げはできないというのが今の政治の現実です。
いや、パッケージにしてもどうなるかわかりませんね。

◇それにしても、消費税率をあげて税収を増やし、財政赤字を減らそうとい
う政策はそれ自体緊縮政策ですから景気にはマイナスでしょう。

◇逆に言うと、いままで財政で思いっきり下支えしてきたのになぜ、デフレ
から脱却できなかったのか。ひとつには、みんな将来に不安があるから、
しっかりため込んで使わないためでしょう。あるいは、民間企業がだらし
ないからであるともいえます。ITもネットも経済成長にはつながっていな
い。財政再建はやらねばならない、ですが、みんなのマインドを変えるほど
の思い切った改革をしてほしいものです。

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2 【所得税法】所得税には投資損失の概念がありません
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◇昨日の日経新聞夕刊によると、日本振興銀行の元会長だった木村剛氏(今や
前科者)が、所得税の申告漏れで約4千万円を追徴課税されたとのことです。
保有していた日本振興銀行の株式を、破綻後に1株1円で売却して譲渡損を
出したが、これが認められなかったそうです(本人は異議申し立てするらしい。)

◇実はこれは所得税の重要なポイントに関係しています。所得税法では出資金
や株式の評価損や投資に伴う損失が原則として考慮されません。例外としては
いわゆるエンジェル税制の対象となる「特定中小会社」への出資や、災害や
盗難に関する雑損控除等がありますが、これは本当の例外です。

◇法人税と大きくちがいますので、企業会計になじんでいる方は少し首をかし
げたくなるでしょう。

◇「それでは」と、株式を譲渡して譲渡損を出せば、譲渡益と相殺して税金を
セーブできる可能性があります。上記の木村氏は、これを狙ったようです。気
持ちはわかりますし、私も別のケースで同じことを考えたことがありますが、
真正の譲渡とは言えないので無理でしょう。

◇そのほか、たとえば、債務の連帯保証人になっていて、債務を代位弁済
する羽目になっても、所得税法上は救済策がありません。お気をつけください。

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3 【人事制度】来週、亜細亜大学で特別講義をします
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◇来週火曜日(5月22日)に、亜細亜大学の経済学部で特別講義をします。
『日本経済の現状と展望』というシリーズの公開講座ですが、私は、「企業の
人事制度とキャリア形成」というテーマをいただきました。

http://www.asia-u.ac.jp/keizai/lecture.html

◇大学の講義ですが、一般市民に開放されているので、どなたでも事前登録
なしで聴講できるそうです。22日火曜日14:30-16:00。御用とお急ぎでな
い方は武蔵野市の亜細亜大学にお越しください。

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小林 秀男(社会保険労務士・税理士)
ディード経営税務事務所
〒160-0022 東京都新宿区新宿1-2-1-509
TEL:03-3350-1717 FAX:03-3350-1749 携帯:090-9383-1387
E-mail:kobayashi-hdo@nifty.ne.jp
URL:http://www.deeds.co.jp
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