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労働契約法などの検討経緯(2)

この法案は修正成立し平成20年3月に施行されました。

 平成19年2月2日に労働政策審議会第74回労働条件分科会で労働契約法案と労働基準法改正案の骨子が承認されました。

 内容としては以下の項目が織り込まれました。

(1)労働契約法

  •   ・労働契約に関する原則
  •   ・労働契約の成立・・・既存の就業規則との関係
  •   ・労働契約の内容の変更・・・就業規則の変更との関係
  •   ・労働契約の継続と終了・・・出向、転籍、懲戒のルール、解雇権濫用
  •   ・有期労働契約のルール

(2)労働時間に関する労働基準法改正

  •   ・時間外労働・・・割増賃金率の引上げ、代替としての有給休暇付与
  •   ・年次有給休暇の時間単位消化
  •   ・自己管理型労働制・・・労使委員会の決議により、一定要件の対象労働者を労働時間等の規定
       から除外する
  •   ・企画業務型裁量労働制・・・中小企業について対象業務要件の緩和

 このうち、自己管理型労働制と企画業務型裁量労働制については労働側委員から反対意見が付され、時間外割増賃金率の引上げについては使用者側委員から反対意見が付されています。

 特に注目のホワイトカラーエクゼンプションについては、当初、「自律的労働時間制」という名称で検討されていたものが、昨年12月末の報告案で「自由度の高い働き方にふさわしい制度」という説明になり、最終報告では上記の「自己管理型労働制」という名称になりました。なぜ呼び名を変えたのかは説明を聞いても判然としませんでしたが、厚生労働省が「残業代切捨て制度」というレッテルをはずすために苦労していることが読み取れます。当初の案と異なるのは、労使委員会の決議を要件としたことや1年を通じて週休2日相当の休日を義務付けたことなどです。また、対象労働者について「年収が相当程度高い者」という要件をいれていますが、具体的な年収水準は政令で決めることになっています。

 いずれにせよこの制度は、自民党が参議院選挙を意識して立法化しないと言われていますが、逆に言えば来年もう一度この案が日の目を見るということでしょうか。しかし、現状の労働基準法による管理監督者の適用除外や裁量労働制の仕組みの中で、効率的な働き方や適正な人事評価などを追及することが先決のように思われます。また、深夜業の割り増しは管理監督者については適用されますが、この自己管理型労働制の対象者は適用除外であるなどの矛盾も生まれることになっています。

 労働契約法については、内容的に多くの項目が積み残しになってしまいました。たとえば、労使委員会制度の見直し、過半数代表の要件、労働条件変更ルール、解雇の金銭的解決、有期労働契約の更新ルールなどです。とりあえずは法律をつくることに意味があるという程度でしょうか。実務的にはほとんどインパクトはないように思われます。また、そもそも労働契約法において、請負とか委託契約というかたちで働いているひとのうち、どこまでを労働者とみるかというテーマがありましたが、今回の要綱では「使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者」ということで、これは労働基準法の定義と同じです。一応、このテーマも継続検討となりました。

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