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事業所の労働者代表について

 労働基準法は、就業規則の作成・変更について労働者代表の意見を聴くこと、また一定の労働条件の設定・変更については、その事業所に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との間で、書面による協定(労使協定)を締結する事を求めています。

 法律の規定はもちろん重要ですが、会社と社員とのコミュニケーションという観点からみても、労働者代表が実質的な代表としての役割を果たす事は双方にとってプラスになります。

 ここでは、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合を想定して、労働者代表の選出方法やその意味合いについてまとめてみました。

Q1.労働者の過半数を代表する者が必要な場合はどんな場合がありますか。

A1.以下の事項です。

  1.   1.就業規則についての意見聴取
  2.   2.労働基準法により労使協定が必要な事項
    •     A.従業員の貯蓄金の管理
    •     B.賃金の天引き控除
    •     C.1ヶ月単位の変形労働時間制
    •     D.フレックスタイム制
    •     E.1年単位の変形労働時間制
    •     F.1週間単位の非定型的変形労働時間制
    •     G.一斉休憩の適用除外
    •     H.時間外労働・休日労働
    •     I.月60時間を超える時間外労働について超過割増賃金に代わる有給休暇取得
    •      (平成22年4月から)
    •     J.事業場外労働に関する所定労働時間をこえるみなし労働時間制
    •     K.専門業務型裁量労働制に関するみなし労働時間制
    •     L.年次有給休暇の計画的付与
    •     M.時間単位の有給休暇取得(平成22年4月から)
    •     N.年次有給休暇期間の賃金として健康保険の標準報酬日額を使うこと
  3.   3.その他

        育児介護休業の対象者から除外する労働者に関する協定

Q2.代表する労働者の範囲は協定の対象となる労働者ですか。

A2.いいえ。労働者の範囲を限定していないので、出向者、嘱託、パート、アルバイト、休職者、管理監督者を含むすべての在籍者の代表者です。派遣を受けている労働者は含みません。

Q3.会社単位ですか。事業場単位ですか。

A3.事業場単位です。(労働組合の場合には、事業所単位の組合でなく、企業単位の組合であってもその事業所の労働者の過半数を組織している組合であればオーケーです)

Q4.「労働者の過半数を代表する者」であるための要件はなんですか。

A4.次のすべてを満たす必要があります。

  1.   1.管理監督者でないこと(管理監督者のみの事業場については別規定あり)
  2.   2.法に規定する協定等をする者を選出する事を明らかにして実施される投票、挙手等の方法によ
       り選出された者であること

Q5.職場単位の代表が投票するような間接的な選出手続も認められますか。

A5.認められます。労働組合の話し合いによる選出などもありえます。

Q6.社員会の代表を過半数代表とすることができますか。

A6.一般的には適格性を欠く(*)とされていますが、社員会の代表が上記A4の要件を満たす場合には、一方で社員の親睦の役割を持っているとしても適法であるといえます。具体的には、組織の規程で労基法の協定等を行う事が規定され、かつ、労働者が代表者を選任する手続きがとられている場合です。
(*)通達では次のような場合は適格性を欠くとされています。

  1.   1.労働者を代表する者を使用者が一方的に指名している場合
  2.   2.親睦会の代表者が労働者代表となっている場合
  3.   3.一定の役職者が自動的に労働者代表となる事とされている場合
  4.   4.一定の範囲の役職者が互選により、労働者代表を選出する事としている場合

Q7.一定の任期制は認められますか。

A7.労基法に定めがなく、原則として、協定等ごとにその都度選出するものと考えられています。ただし、規程(*)などをつくって制度化し、任期を定めて継続的な協議を行って協定を結ぶ事をあらかじめ決めた上で選出すれば適法であるといわれています。
(*)「従業員代表者制度に関する規程」など

Q8.労働者は、代表者に労働条件の設定などを委任するのですか。

A8.違います。代表者は、代表者を選任した個々人の代理人ではなく、労働者全体の意思表示をする人とされています。その者との労使協定により、就業規則や労働契約の定めに対して、労基法の禁止規定の解除や罰則の免除などの効力が発生するとされています。この効力は、選任に反対した労働者にも及びます。

Q9.過半数代表と労使委員会とはどんな関係ですか。

A9.労使委員会は「賃金、労働時間その他の労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対して当該事項について意見を述べる事を目的とする委員会」ですが、委員の半数は「過半数代表」によって指名されます。労使協定を必要とする事項のうち、労使委員会の運営規定で定めた事項については、労使委員会の決議をもって労使協定に代える事ができます。

Q10.経営の視点からみたときの、過半数代表の持つ意味はなんですか。

A10.社員の情熱とかコミットメントは、経営の目的を達成するうえで極めて重要ですが、社員の情熱やコミットメントを引き出す上で、公平感とか連帯感が極めて重要な要素です。過半数代表は、一義的には労基法上の要請ですが、これを経営に役立てていくことを考えるべきです。過半数代表者に見識とリーダーシップのあるひとが選ばれるような方策が必要になります。

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