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こばやしひでおのうんちく情報

固定資産の取得なのか、修繕なのかという問題

 企業が固定資産の修理や改良をした場合に、税務上、その支出額を当期の損金にできる場合と、損金にしないで固定資産の取得価額として減価償却をしなければならない場合があります。損金にできるのが修繕費で、損金にできないのは資本的支出といいます。

資本的支出とは

 固定資産について行った支出のうち、その固定資産の耐用年数を延長させる部分、またはその固定資産の価値を増加させる部分は資本的支出であるとされています。

 資本的支出の金額は、原則として、元の固定資産と同じ種類・耐用年数の減価償却資産を新たに取得した金額として、資産に計上して減価償却をします。所有権移転外リース資産の場合には、新たなリース資産として、元のリース資産のリース期間終了の日までの期間で償却します。
 例外として、元の資産が平成19年3月31日以前に取得したものであったり、定率法で減価償却している資産であったりする場合には、元の資産の取得価額に加算することができます。

修繕費の場合

 一方、固定資産について行った支出が、その固定資産の通常の維持管理のため、または毀損した場合の原状回復のために必要であったと認められるときは、その支出は修繕費となります。

 ただし、固定資産を取得した時に、それを使用するために修理したり、土地の造成をしたりした場合は、修繕費ではなくその固定資産の取得価額の一部であることになりますので、注意が必要です。

 修繕費の額はその事業年度の損金の額に算入します。

区分の方法

 資本的支出と修繕費の定義は上記のとおりですが、具体的なケースではどちらに該当するのか判断が困難な場合やひとつの支出の中に維持管理と改良が含まれている場合があります。また、定期的にメンテナンスを施している場合にその都度判断をするのはわずらわしいという問題もあります。

 そこで、法人税と所得税の実務上、形式的な基準を含む区分基準が通達として示されています。それによると、ひとつの修理や改良に要した費用ごとに、次の手順で修繕費であるか資本的支出であるかを判定することができることになっています。

① 金額が20万円未満である・・・修繕費にできる。
② おおむね3年以内の短い周期で行われる・・・修繕費にできる。
③ 明らかに資本的支出である・・・資本的支出とする。
④ 明らかに修繕費である・・・修繕費とする。
⑤ 明らかでないが、金額が60万円未満である・・・修繕費にできる。
⑥ 明らかでないが、金額がその固定資産の前期末における取得価額のおおむね10%以下である・・・修繕費にできる。
⑦ 災害の特例に該当する・・・特例に従う。
⑧ 明らかでないが、継続して「7・3基準」で経理(注)している・・・その経理が認められる。
⑨ 上記で判断できない・・・本来の定義に立ち戻って判断する。

(注) 支出額の30%とその固定資産の前期末取得価額の10%のいずれか少ない額を修繕費とし、残額を資本的支出として経理する方法をいいます。

ソフトウェアの修理・改良

 所有するソフトウェアの修正などをした場合には、プログラムのバグの除去、現状の効用の維持などに該当するときはその費用は修繕費に該当し、新たな機能の追加や機能の向上に該当するときは資本的支出に該当します。

 法令や規則が変わったために、そのままではソフトウェアが使えないという場合、それに対応する修正などに要した費用は修繕費とすることができます。

 なお、このソフトウェアの修理などの取り扱いは、企業会計基準と異なる部分がありますので、企業会計基準に従って経理をしている場合には税務上の修正が必要です。

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