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こばやしひでおのうんちく情報

社会保険の存在意義

1.社会保険とは

いまさら、ですが、社会保険とは何でしょうか。

社会保険といいますと、公的年金、健康保険、労災保険、雇用保険などがあります。これらは、社会構成員のうち一定の条件を満たした人のグループを対象として、保険料を徴収し、一定の保険事故に対して保険給付をするものです。

年金の場合には、老齢・障害・死亡を保険事故として、老齢年金・障害年金・遺族年金を支給します。

雇用保険では、雇用保険料を徴収し、失業という保険事故に対して、失業手当という給付をします。

2.税金との違い

税金による社会保障と比較したとき、社会保険には、負担と給付の間に対応関係があることが重要なポイントです。社会保険は、法律で決められた強制保険ですが、高い社会保険料を歯を食い縛って納めているのは、罰則が怖いからではなく、歳をとってから、あるいは万が一のときに、給付があるからでしょう。

これは税金との大きな違いです。

このことは、徴収コストに大きく影響してきます。確かに年金事務所の徴収機能には問題がありますが、税務署員の数に比べれば年金事務所の徴収係の数は微々たるものです。

3.民間の保険との違い

一方、民間の保険と比較すると、社会保険には所得再分配機能があるという点が重要です。

病気やケガをする確率は所得水準と関係ありませんが、健康保険料は所得比例です。健康保険を通じて、同じ健康保険に加入しているグループの中で、所得の高い人から所得の低い人に所得が移転していると見ることができます。

税と社会保障の一体改革が必要なゆえんです。

4.社会保険制度の危機

そんな社会保険制度が、いまや危機的な状況です。
ひとつには、負担と給付の関係が大きく侵食されて、崩れていることです。健康保険や公的年金はいくつかのグループごとに違う制度に分かれていますが、いったん徴収された保険料のうちかなりの部分が、○○拠出金や○○負担金という名前で、勝手に融通されています。「勝手に」というのは、払う方からは判らないということです。

また、介護保険料や児童手当拠出金などはもともと負担する人と給付を受ける人の関係が希薄で、社会保険料というより、社会保障目的税というべきものです。

負担と給付の関係がわからなくなると、納めることに疑問が湧いてきます。

もうひとつの問題は、年齢構造の変化や雇用構造の変化に対応できなくなっていることです。少子高齢化の影響がありますが、非正規雇用者や失業者が国民年金や国保に流れていることも大きな原因です。

しかし、これは正に政治の問題です。少子化と言っても、現在保険料を払っている人は、20年前にはすでに生まれていました。20年前に今の事態は予想されていたのです。

負担と給付の関係をスッキリさせること、制度を作り直すこと。それが必要です。

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