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失業手当の資格要件

 平成19年春の国会で成立した雇用保険法の改正によって、平成19年10月から雇用保険の対象者と失業手当などの受給資格要件が変わりました。

被保険者区分の統合

 雇用保険の対象者については、従来は週30時間以上就業する人を一般被保険者とし、20時間以上30時間未満の人を短時間労働被保険者として区分していましたが、この区分がなくなり、週20時間以上の人が対象者となりました。

受給資格要件の変更

 失業手当などの受給資格については、従来は離職日から遡って1年間の間に6か月以上の「被保険者期間」があること(短時間労働被保険者の場合には2年間に12か月以上あること)が要件でしたが、今後は短時間であるかどうかの区分はなくなり、退職理由によって受給資格要件が異なってきます。

 会社都合退職の場合には過去1年間に6か月以上の被保険者期間、自己都合退職の場合には過去2年間に12か月以上の被保険者期間が必要となりました。つまり、自己都合退職で失業手当をもらうための条件が厳しくなったわけです。この改正は平成19年10月1日以後に離職する人にはただちに適用されました。

 

補足1

 「被保険者期間」は、離職の日から遡って30日ごとに区分した期間のうち、11日以上就業したものを1月として数えます。従来、一般被保険者は14日以上就業した期間を、短時間被保険者は11日以上就業した期間をそれぞれ1月としていましたので、この要件は短時間被保険者のほうに揃えました。要件としては緩和されたことになります。
(上記で、30日に満たない期間ができたときは15日以上の期間で11日以上就業したものを1/2月と数えます)

補足2

 自己都合退職でも、正当な理由がある場合には、会社都合退職と同様に6か月の被保険者期間で受給資格が認められます。正当な理由とは、①本人の身体的な理由(体力不足など)による退職、②妊娠・出産などによる退職、③結婚や配偶者の転勤などによる通勤困難による退職などです。また、有期雇用契約者のいわゆる雇止めの場合も6か月でOKです。

 

解説

 今回の受給資格要件の厳格化については、厚生労働省は「循環的な給付や安易な受給を未然に防ぐ」ためであると説明しています。その背景として、過去3年間に2回以上の失業給付を受けた人が受給者のうちに3.4%(19万人)あり、また、就職後6ヶ月以上1年未満の自己都合退職または重責解雇(自分の責任による解雇)は受給資格者の3.6%であったという数字を挙げています。

 しかし、これが多いのか少ないのか、傾向的に増えているのかどうかなどを充分検討した形跡はありません。

 また、自己都合退職に対しては、従来から、安易な退職を防ぐため、失業手当の支給を3ヶ月延期するという、「給付制限」の制度がありました。これについても正当な理由がある場合には「特定受給資格者」として認めて、給付制限をしないことになっていますが、上記「補足2」の救済措置は同じ「特定受給資格者」に適用することになりました。

 つまり、自己都合退職の受給資格12か月と給付制限とは同じ目的の制度が重複しています。端的にいいますと、行政改革推進法で与えられた課題として闇雲に実施したということと思われます。

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